曹洞宗

 

曹洞宗

曹洞宗は、宋の曹洞宗の禅を、道元(1200~1253)が入宋して伝えたものです。道元は初め、比叡山に上り修行した後、栄西に請うて禅を修するようになりました。後に宋に渡って禅宗諸師に遍参し、ついに天童如浄の下に、「身心脱落(しんじんだつらく)、脱落身心」と大悟し、印可を受けました。帰朝しましたが、旧仏教の圧迫を受けたり、幕府にも受け入れられなかったため、越前に移り、永平寺を開き、弟子の育成に尽力しました。曹洞禅は臨済禅と考え方がやや異なり、公案は用いず、只管打坐(しかんたざ)、ただ坐るということを重んじています。坐禅は仏のはたらき、仏の活現に他ならないということで、これを「本証の妙修(ほんしょうのみょうしょう)」といいます。また、曹洞宗では、「行持綿密」、「威儀即仏法」といって日常生活の微に入り細にわたって綿密な規定がなされています。家風は、極めて厳格で、格調高く、一般 に広まる性格のものではありませんでしたが、その門下の第四祖、瑩山紹瑾(けいざんじょうきん)(1268~1325)が禅を大衆化し、現在の大教団の基礎を築きました。現在、曹洞宗は福井の永平寺と横浜市鶴見の総持寺の二大本山制をとり、道元を高祖、瑩山を太祖として尊崇しています。

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